キジも鳴かずば撃たれまいに……

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「唯は俺の運命の相手なんだよ、お祖父様っ。  正月、久しぶりに唯を見たとき、俺は彼女の周りに、キラキラと火の粉が舞っているように見えたんだ!」  それ、火事ですよね~……。 「唯には特に相手も居ないようだったし。  みんな前田の家と縁続きになりたいようだったし。  じゃあ、もらえるもんなら、もらっとけ、と思ったんじゃないかっ」  ……嫌なもらわれ方だなあと思っていると、何故か会長のデスクの側に、静かに立っていた慎吾が唐突に口を開いた。 「翔太では、唯の相手は無理です」  翔太が、は? という顔で、慎吾を見る。 「私と三上蘇芳を競わせてください」 「――は?」 と唯は思わず、翔太と同じ顔で、慎吾を見てしまった。  慎吾は会長に向かい、語り始める。 「三上さんは立派な方です」  そうですか? 「私はあの方と競い合ってみたいんです」  では、別の競技にしてください。
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