キジも鳴かずば撃たれまいに……

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「三上さんか、私か。  唯が選んだ方が、唯の夫と言うことで」 と言いながら、唯の側に来た慎吾は、ぽんぽん、と唯の肩を叩いてくる。  まるで、もう、こちらの同意を得ているかのように。 「あ、あのー、課長……」 という唯の言葉を遮るように、慎吾は唯の肩を抱き、 「いいですか? お祖父様」 と会長を見る。  会長、と呼ばなかったのは、じじバカな心に訴えかけようという策略のようだった。  会長は、うーん、と唸り、 「いいかね、唯さん」 と言ってきた。 「は?」 「どちらでもいい。  三上さんか、慎吾か。  貴女がいいと思う方を式までに選びなさい」 「いや、ちょっと待ってくださいっ、お祖父様っ!」 と翔太が叫ぶ。 「俺はどうなったんですっ!?」  いやまあ、そこだけは、ごもっとも、と思う唯の近くで、社長が、あーあ、という顔で苦笑いしていた。
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