0145 聞こえなかった告白

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0145 聞こえなかった告白

 私の生まれた村は貧しかった。自作農のわが家は裕福な方で小作人たちは本当に貧しかった。  君はそんな小作人の三男で同い年だった。  美しい君に僕は夢中だった。君も好いてくれた。藁山の陰で口づけを交わした。  君の父親が倒れ、遠い街へ売られる君を追い、叫んだ愛の言葉は届いたろうか。
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