喜んでくれるので頑張れるんです。

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帰りの車の中でも明星は嬉しそうに、後ろの席で美峰と並んで拾って来た貝殻を見ている。優星はドライバーになって、後ろの二人の話を聞いていた。 「美峰君!今夜泊まって行く?」 目を輝かせて明星は尋ねる。 「今日は車だし、水曜日にまた泊まりに行くよ。だから、もう少し待ってくれる?」 明星は少し残念そうに頷いた。 「明星。美峰さんだって時間を作ってくれてるんだから、わがままはなしだぞー」 優星が言うと明星はムッとする。 「分かってる!今日だってドライブ連れて行ってくれたし!だけど、寂しいんだもん」 素直になれる明星に、美峰も優星も羨ましかった。 こんな風に寂しいと素直に言える歳ではなくなった。 自分の気持ちだけを押し付けられないのも分かってる。 わがままを言えるなら、優星も美峰もお互いを今すぐにでも求め合いたい。 明星がいても、大好き、愛してると言ってしまいたい。 優星はふと考えた。 いっそのこと、マンションの駐車場を借りてしまおうかと。 そうすればこうやってドライブに行った後も、気兼ねなく家に寄ってもらうことも出来るし、泊まってもらう事もできると思った。  明日、管理会社に空き状況聞いてみるか。  駐車場が解決すれば、もっと美峰さんも楽だよな。 優星はそう決めると、明日管理会社に電話をかけようと思った。 明星のように、自分も美峰と1分1秒でも長く一緒にいたい。 本当は、一緒に住みたいほどに。 恋は盲目とよく言ったものだと優星は考えながら、美峰と明星に気づかれないように照れ笑いをした。
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