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太陽と月
朱雀、玄武が少年を発見した頃、ある二つの組織がそれぞれ会談を開いていた。
一つは、太陽が描かれた純白の旗を掲げる組織『日輪会』。
一つは、満月が描かれた漆黒の旗を掲げる組織『月輪会』。
日輪会、月輪会は対立する組織であり、組織間での争いは絶えることがなかった。
[日輪会]
白い着物を身に纏う十数人が、部屋に円を描き座っている。
そのうちの二人、白髪に白髭を蓄えた長老のような人物が、羽織の背に青き竜の刺繍を入れた男に話をふる。
「昨今、ちまたを騒がせておる行方不明者だが、恐らく例の少年が関与していることは間違いないであろう」
「はい、それに関しては現在、朱雀、玄武に調査をさせております」
「なに?四神を二人も?」
「ええ。何分相手が例の少年では、不足の事態が起きる可能性は十二分にありますので」
「だがしかし、それではここの守りが手薄になりすぎるのでは?」
「それならご心配ありません。この建物には結界を幾十にも張ってあるのをお忘れですか?それに、正面には白虎が構えておりますので」
「ならよい。では引き続き、少年の件頼んだぞ。期待しておる、青龍よ」
「は!!」
[月輪会]
黒い着物を身に纏う、こちらも数十人が部屋に円を描き座っている。
そのうちの一人、一番若いであろう青年が口を開く。
「最近噂になっている例の少年だけど。是非うちに来てほしいと思っている。異論のあるものはいるか?」
意義なし!
全員一斉に声をあげる。
「日輪会の奴等も少年の同行には注目してるらしくてね。奴等恐らく少年を捕まえる、もしくは出来なければ殺すきだろう。そうなる前に、必ず先に少年を同胞に加えるんだ」
御意!
またもや、全員一斉に声をあげた。
互いに牽制し会う日輪会、月輪会。
その渦中にある少年とは、一体、、、
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