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それが起こったのは翌週のことだった。
「また委員長休みだってよ」
智也が委員長の机に視線を向けながら言う。それに倣うように僕も見る。本来ならそこにいるはずの委員長の姿はなく、ぽっかりと穴が空いたようにそこだけ空間が空いていた。
「もうこれで四日目だろ? 珍しいよな委員長がこんなに休むなんて」
咥えたストローを行儀悪く上下に動かしながら呟く。智也の言う通り、委員長が休むことは珍しい。病気とは無縁だと思っていたし、皆勤賞を狙っているという話も聞いたことがある。そんな委員長が四日も休んでいる。その事は僕たちだけじゃなく、クラスの中でも話題となっていた。
「……まさか、なんかの病気とかじゃないよな」
「そんなわけないよ。だって委員長だよ? もしかしたら親戚の方に不幸があったのかもしれないし、旅行に行ってるのかもしれない」
「だよな」
そう言ったものの、やはり委員長が休むということになにかしらの違和感のようなものを感じていた。
「明日は来るよな」
「来ると思うよ」
「だよな」
「うん」
なんの根拠もない。むしろ自分に言い聞かせてる言葉だ。
委員長……どうしたんだよ。
結局その週は一度も学校に来なかった。
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