プロデューサー

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「え?俺の歌をネットに投稿してみないかって?」  それは今までの手法と違い面白かったので 「あぁ、いいよ。」  と気が付けば軽く返事をしていた。  九条とは最近仲良くなったばかりだ。  何かのはずみで歌手になりたいと言ってしまった。今までふざけ半分でしか言ったことのない、夢のまた夢の話。それを九条はなぜだかしっかりと覚えていて、俺の歌を聞いたことあるかどうかもわからねぇ。なのに、事あるごとに『歌。一人でやるのか?』『練習場所はあるのか』『音源をとって事務所に送ろう』『路上ライブなんてどうだろう』こっちが恥ずかしくなるくらい真面目な顔して言ってきた。事務所とか路上ライブとかは引っ掛かりもしないと断った。それ以降は何もないと若干安心していた。今日はそれを覆された。ネット…かぁ。OKしたのは自分の可能性を信じてみたい気持ち。今までしつこく追いかけてきて今更引き下がらせないぞという気持ちからだ。   「やるからには絶対に俺をプロの歌手にしてくれよなプロデューサー。」
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