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鮮血が零れ落ちるも、キリヤは気にしなかった。
それが見えていた美乃華は思わず近づこうとしたが、なんとか踏みとどまった。
まだ敵がいるのだ、隙を見せるわけにはいかない。
次に出てきたのは、剣を構えた男達五人だった。
キリヤは問答無用で突っ込んでいった。
男達の息を合わせた攻撃五つのうち、三つを黒刀で防いだ。残り二つを腹と、右腕に受けてしまうも、左手に持った黒刀を薙いだ。
「ぐあっ!」
男達の呻き声が上がるも、キリヤは気にしない。
剣を突き刺した二人の手が柄から離れるのを確認し、五人の息の根を止める。
二本の黒刀を床に突き刺すと、腹に刺さった剣を抜いた。
それを見ていた男達の表情が驚愕の色に染まる。
キリヤはなんとも思わずに、右腕に刺さった剣を抜いた。
二か所の傷口から、鮮血が零れるも、本人は気にしなかった。
「なにを呆けている。敵の前だろうが」
キリヤが冷たく言い放つと、男達は我に返った。
「かかれっ!」
キリヤに向かって五人の男達が突っ込み、さらに五人の男達が発砲した。
キリヤは弾丸を当たるがままにしながら、繰り出される男達の攻撃を躱し、次々に骸に変えてゆく。血飛沫が次々に上がる。
己の血か、返り血か分からなくなるほど血を浴びたキリヤは、五人を倒して、発砲してくる男達を一瞥する。
その右頬には鮮血がべっとりと付着していた。
その様子を見た美乃華は、敵がいるということを忘れて、キリヤを注視していた。
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