第3章 虚構

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20分ほど走った先に、高札は、あった。 俺「何なに………」 俺は、高札を読み始めた。高札には、次のような事が書いてあった。 『このゲームの目的は、被害者である、縞さん(源兵衛の奥さん)を殺した犯人を見つけ出す事である。 プレイヤーの皆さんが、まずすべき事は、被害者の家に行って、犯人の手がかりを探すことである。 被害者の家は、とある長屋の、戸に『源』という字に丸が書いてある(夫の源兵衛の名前から取って、そういう印を戸に書いた)家である。 この街にはたくさんの長屋が配置されているので、早くその長屋を見つけられた者が有利であろう。 諸君らの健闘を祈る。 尚、その後、ゲームに関係することは、源兵衛の家近くの高札に書いておく事とする』 凍砂「説明 長っ!」 俺「まあ、説明だから………」 凍砂「俺たち、これからどうやって、この広い再現された街から、『源兵衛』とかいう奴の家を探せばいいんだ?」 俺「さっきの高札に書いてあっただろう。その後のゲームに関する事は、『源兵衛』の家の近くの高札に書いておくって………」 俺「つまり、高札がある所を探せば、その近くに源兵衛の家があるって事なんじゃないか?」 凍砂「なるほど」 俺「じゃあ、こっちの通りから、高札がないか探してみよう」 凍砂「よしっ、行くか」 男「ちょっと、待った!」 突然、後ろから、声がして、曹達たちは、振り返った。 凍砂「何だ、お前」 暮以「申し遅れました。私は暮以(くれい)と申します」 凍砂「その暮以さんとやらが、何の用だ?」 俺「まぁまぁ、凍砂も、落ち着いて………」 暮以「この街は、広そうですし、私たちと同じチームとして、ゲームをプレイするというのは如何(いかが)でしょうか?手分けして、手がかりを探せば、早く目的地にたどり着くと思いませんか?」 俺「確かに………」 凍砂「ところで、さっき『私たち』って言ったよな?他に誰かいるのか?」 暮以「はい、彼女たち二人が同じチームですが………」 朱飯「朱飯 夜詩子(あかい よしこ)です。宜しく」 城囲「城囲 遊来子(しろい ゆきこ)です。宜しくお願いします」 凍砂「よ、宜しく………」 俺「おい、凍砂、鼻の下伸びてるぞ」 凍砂「か、かわいい………」 俺「………」 それから、俺たちは、手分けして、源兵衛の家の近くにあるという、高札を探しに行った。 第4章につづく
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