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とりあえず、学校に行って、茜に会えば、事の真相がわかるだろう。なぜ、両親がこんな事を言って俺をからかったのかも
………。
俺は教室のドアを勢いよく開けた。
ガラガラ………。
教室の茜の席には、見知らぬ女生徒が座っていた。
俺「ここさ、茜の席じゃなかった?」
女生徒「茜?そんな名前の子、このクラスにいないよ。蒼井君、寝ぼけてるんじゃない?」
俺「あれっ、そうだっけ?」
俺は、女生徒に話を合わせたが、内心、気が変になりそうだった。
俺は努めて冷静に考えようとしてみた。
しかし、茜が居なくなった事を、まったく理解出来なかった。
茜は、この世界に、初めから存在しなかった事になっていたのだった………。
それから、しばらくの間何も手につかなかった。
どうすれば、茜にもう一度会えるのか考えてみたが、俺には、何も思い付かなかった。
それから、さらに、数十日後、俺はやっと、そのヒントを思い出した。
俺「そうだ。ラッキーアイテムだ。確か………時計がどうとか言ってたような………」
俺は、とりあえず自分の部屋の中から時計に似てる物を片っ端から探し始めた。
数時間後………。
部屋は散らかったが、ラッキーアイテムとおぼしき物は見つけられなかった。
俺「いったい、どうすれば良いんだろう?」
俺は、ベッドの上で膝を抱えたまま、茫然としていた。
そこから、僅かな光明を見出だしたのは、それから2年ほど先のことであった………。
第2章につづく
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