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「ユウトくん!」
ふわふわした甘い声が俺の名前を呼ぶ。俺はスマホから目を話して、声のした方を見た。白いシャツにピンクのロングスカート。髪はゆるく巻いていて、メイクは派手すぎない程度。少し息を乱しながら前髪を直すその仕草は、理想通りの自然な恋人だった。
「遅れてごめんね、待った?」
「ううん、俺もさっき来たところだし」
「そっか、良かった。ねえ、今日のために色々頑張ったんだ。どう、かな?」
彼女は少し不安そうに、でも照れくさそうに笑ってくるりと回る。淡いピンクのスカートがふわりと舞った。
「うん、可愛い」
素直な感想を口にする。
「えへへ、ありがと」
彼女は嬉しそうに笑った。
「じゃあ、行こうか」と俺はごく自然に手を差し伸べる。
「うん」と彼女も自然に僕の手を取り、2人並んで歩きだす。
俺たちは手をつないだまま、今日の目的地である遊園地へと向かった。
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