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いすの上に置いてある学ランを手に取り、そっと座った。
智矢の学ラン。大好きな智矢の、学ラン。
頭に浮かんだ行為を、変態っぽいと冷静に判断することができた。でも、我慢できなかった。両手で抱き締めるようにして、学ランに顔をうずめた。
深く、ゆっくり、深呼吸する。
特に、これっていう匂いがするわけじゃなかった。でも身体の中が、智矢の匂いでいっぱいになってくみたいで、嬉しかった。
バクバクと心臓が鳴り止まない。外に音が漏れてしまっているんじゃないかと不安になった。そう思えば思うほど、おれの心臓の音はどんどん大きくなっていく。
そんなことはありえない、って、分かってる。けど、少しだけ心配になって、学ランの端からようすをうかがった。
そこには、少し幼く見える、智矢の寝顔があった。
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