友達ごっこ

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 智矢の言葉は、『友達のフリ』をしていたおれが、独りでずっと抱えてきた葛藤(かっとう)や苦しみを、全て受け止めてくれているみたいで、大きくて、温かくて、優しかった。  こんなに泣かせて、智矢はおれの涙腺(るいせん)まで、弄ぶつもりなんだろうか……。  ぐしゃぐしゃになって泣きじゃくるおれを見ながら、智矢は口角をきゅっと上げて笑った。 「友達ごっこ、卒業だな」  おれの瞼に、優しい唇が触れた。  お わ り
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