辺境の森の薬屋さん

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 用事が終わり集会所から出た瞬間、昼下がりの白く照り付ける太陽がイーサンを灼く。  汗がどっと吹き出し、滝のように流れ顎に滴を落とす。 「あ。やっと終わったの先生」  キャロが集会所向かいの酒場のオープンテラスでお茶を飲んでいた。  まあなと目の前の椅子に座り、店の奥に居る女将さんに一緒のくださいと頼む。 「で、話なんだったの?」  好奇心旺盛な年頃と、ここには娯楽というのが無く首を突っ込んでいる。  イーサンは場所を伏せて薬草取りに行ってくるだけだと伝えると、なんだと興味無くお茶を飲み始めた。 「あいよイーサン先生。ミントティーだよ」  ふくよかで愛嬌のある笑顔でイーサンに飲み物を給仕をするのは酒場の女将デネフだった。 「デネフさんあれから体調はどうですか?」  デネフは、1ヶ月前に料理中誤って鍋をひっくり返してしまい、中にある熱い油を首から下全身に浴びて大火傷をしたのをイーサンが懸命に火傷に効く薬草や軟膏を刷り込んだ湿布を張ったり、ラティアが火傷からでる体液や膿など出てくる度に包帯を代えたりと付きっきりの看病のお陰で、火傷の痕も目立たない姿に戻っていた。 「あの時先生が居なかったらあたしはもう死んでいたんだろうね。 まだ子供も小さいし感謝しても仕切れないよ」  デネフは深々と礼をして何かあったら言ってと店へと戻る。 「デネフさん元気になって良かったね。 酒場ここしかないから皆お店の前で祈っていたのよ」  キャロはその光景を思いだし呆れた顔をしていたが、デフネが元気に仕事をしている姿を見て安堵していた。 「ねえ先生?デネフさんに使った薬の材料って何だったの」  水だしのミントティーを口に含みスウとした清涼感を楽しみながら一言「サラマンダーの粘膜」と話した。
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