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断章 プロローグ
この世界に神がおわすならソイツはとんでもない最低野郎と言うしかない。
この何もない白い空間で青年はそう目の前で椅子に座る人影に毒をはく。
影は男性とも女性とも老いも若いも綯い交ぜにした声で「君のやっていることはこの世界の根幹を滅ぼしかねないのだよ」と頭に直接語りかけると青年は頭を右手で強く押さえ鼻血を床に滴ながら も影を睨む。
そして後ろでは、この空間を揺れ動かす程のおぞましい声をあげる魔物達に青年は左腕を横に出し制止させると魔物達はピタリと声をあげるのを止めて、また静寂な空間に戻る。
その光景に影は「ほう」と感心を見せると、右手を青年に向けて頭を貫ぬくと青年の体は白い影に包まれて床へと吸い込まれるように消えていった。
「やはり君は危険な存在だ。その能力と記憶を全て消して新たな人生を歩ませなさい。
それが私達からの慈悲だ」
そして影は前方から迫り来る魔物達に対し人差し指を向けて黒い光を放つとバタバタと倒れていく。
あれから幾年が経っただろう。
とある村外れの小屋に一人の成年が住んでいた。男の役職は薬師。前世のスキルと記憶はないが妙な称号「邪神を育てた者」があった。
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