その瞳で

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「っと、そろそろ始めないとマズイみたいんで…… また今度な、悪い」 頭を掻きながら出席をとり始めると 其処此処で好意的な笑いが漏れた。 「宮・・・藤宮・・アレ?藤宮は?」 「先生休みです」 教室が小さくざわめく。 何だ? 「あぁ、今日誕生日か」 誰かの台詞に皆納得したかのように じゃぁ来ないわな、そっかぁ~とか納得したような 言葉が次々に漏れる。 はあ? 何で自分の誕生日だからって来ねぇんだよ。 幼稚園児でもあるまいし。 なんか俺だけがこの教室内で納得いってないみたいなんだけど? 当然、終わったHRの後、 麻巳を捕まえて聞くことになる。 「な~麻巳……先生、藤宮ってどんなヤツ? 何だって誕生日だからって休むんだよ? やけにソイツ優遇されてねぇ?」 「理由か? ……まぁ……自分の目で確かめてみるんだな」 何故だか笑ってそれ以上教えてくれない。 人間、其処まで言われたら否が応でも気になるというものだ。 “どんなヤツ何だろう……藤宮って”
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