演じる女

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九月になって早々に、樹は抗を引き取った。 長い旅を共にする相棒が出来た。 抗は下半身を引き摺りながらも精力的に動き回ってヤンチャぶりを発揮している。 トラックの寝台を抗の為に片付けて解放した。新しい別宅に興味津々の抗はキラキラした瞳で樹を見つめる。 「しっかり掴まれよ」 「ニャウ!」 笑ってトラックを発進させた。 抗とは会話が出来る。なんだか嬉しかった。 東京から博多まで。そこから先は会社の指示次第。トラックには荷もガソリンも満タン。 樹は気分良くアクセルを踏んだ。 首都高から東名へ。車の流れは順調そのもの。 ちょうど良いスピードで進む。 大井松田インターを過ぎて高速は二手に分かれる。右ルートと左ルート。彼は決まって左ルートを選択する。

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