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皆結局自分が大事なんだよ。
周りの事なんか知らない。
虐められたって皆哀れみの視線向けるだけで、誰も助けようとはしない。
『○○からお越しの~、青いティシャツに緑のジーパンをお召しになった、北岡理雄君という五才の男の子が迷子になってます。お連れ様は、迷子センターまでお越し下さい』
コールセンターの人が何度も呼ぶのに、お昼を過ぎても夕方になっても百貨店が閉まる時間になっても、誰も現れなかった。
「おかーさん……俺が良い子にしてたら迎えに来るって言ったのに……ヒック…………俺、何か悪い事した?」
「理雄君、今日はここに泊まって良いからまた明日捜してみようか」
そしてコールセンターの人は、俺に目線を合わせながら肩に手を置いてくる。
“いつまでも泣かれたら面倒”
そんな言葉がその人の顔には出てた。
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