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パクは一度食べた写真には興味がない。
家中の写真はもう食べ尽くしてしまった。
俺は和馬に助けを求めた。あるだけ写真を貸して欲しいと。
和馬は箱いっぱいの写真を持ってきてくれた。
箱を開けた瞬間、お腹を空かせたパクが勢いよく飛びつき中身が飛び出した。
床に散らばった幾多の写真の中、パクは一枚の写真をパクッとくわえた。
相当美味しかったようで、満足そうに横になった。
写真は、先月の同窓会で撮った和馬と雪乃のツーショットだった。
和馬の写真も全部食べ尽くしたので、和馬に写真を返しに行った。
「なあ、和馬。もしかしてお前、雪乃のこと好きなのか?」
「なんで分かったんだよ!?まだ誰にも言ってないのに…。実は俺たち先週から付き合い始めたんだ。」
俺はすごいことに気付いてしまった。パクの反応で、写真の持ち主の心が読めてしまう。
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