二人だけの教室

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「今日、教室に戻ってきた理由はね。」 私は、今日の記憶を辿り始めた。 放課後 下駄箱に向かいながら考え事をしていた 。 隣の席の子と話してみたいな。 けど、どう声を掛けたら良いのか分からなかった。 何かを理由にして教室に戻ろうと考えた。 考えれば考える程、分からなくなってきた。 「教室に戻ってきた理由はね、 如月くんに会いたくて戻ってきたんだよ。」 「嬉しいことを言ってくれますね。 ありがとうございます。」 声のトーンで分かった。 如月くんって、意外と照れ屋さんなんだ。 「そろそろ帰りますか?」 「そうだね。帰ろうか。」 「宮下さん大丈夫ですか?」 「私なら大丈夫だから。」 『 私なら大丈夫だから。』 そう言って自分自身を慰めていた。
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