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~プロローグ~
「あなたって、いつも一人で居るよね。」
「そうですね。一人が好きなので。」
あなたの言葉が脳内を駆け巡る。
『 一人が好き』
堂々とした言い方だった。けど合わせていた目を逸らして寂しそうな顔をしたあなたを見て考え出す私が居た。
『 この子、一人で居るのは確かに好きなのかもしれない。
けど、話せば答えてくれる。本当は誰かとお話したいんじゃないかな?』
「誰かと一緒に居るのって疲れませんか?」
「疲れないわよ。私は、誰かと一緒に居るのが好きなの。」
真っ直ぐ僕の目を見て、気持ちを伝えてくれた。
けど、見えてきた気持ちは切ないもので。
『 誰か……誰か……。そうやって相手を探しているキミを僕は知っている。
確かに誰かと一緒に居るけど、心はいつもひとりぼっちで寂しがり屋なキミはいつだって強がりだ。』
物事を深く考える力を持つ 宮下・愛華。
人の心情を察するのが得意な 如月・優斗。
「そういえば、あなたの名前って何??」
「僕に聞いているんですか?」
「今、あなたしか居ないでしょう?」
この瞬間、目を逸らせなくて……。
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