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「そういえば、宮下さんは何を忘れたんですか?」
「あ……いや……良く考えてみたら忘れ物なんてしてなかった!」
宮下さんが欲しかったのは、話し相手なのかもしれない。
少しの沈黙だって僕は心地よかった。
「如月くんは、どうして放課後いつも教室に居るの?」
「宮下さんは、僕がいつも教室に残っていること知っていたんですね笑」
気にかけてくれていたことが僕は嬉しかった。宮下さんの笑顔と言葉は僕の心を安心感で包んでくれた。
誰かの笑顔を見て嬉しくなったことがあっただろうか。
誰かの言葉を聞いて素直に聞き入れたことが今までの自分にはなかった。
こんな気持ちは初めてで、どう言葉にしていいか分からない。
「如月くん大丈夫??」
「あっ……すみません。大丈夫ですよ。」
沈黙の時間が長かったからか、宮下さんを困らせてしまった。でも、僕は宮下さんを困らせたいわけじゃなくて
「私と話してるの嫌かな??」
「もっと話していたいです!」
「同じ気持ちなんだね!安心したよ!」
困らせたいわけじゃなくて、安心して欲しかったから。
誰かと話していて楽しい!とか、もっと話していたい!なんて気持ちが自分にあったなんて今までの自分からはとても想像できない。
宮下さんが、教室に戻ってきてくれて声をかけてくれたことが僕は本当に嬉しかったんだ。
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