セレブのホームパーティー

6/13
2317人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
****** 高級住宅街の白金にある桐生副社長の邸宅。 オフホワイトの塀に囲まれた大きな洋風の門構え。 建物も白で統一され、清潔感溢れる素敵な豪邸だった。 全面硝子張りの円柱型のリビングスペースがパーティー会場。 広々としたスペースで『ダイヤモンドホテル銀座』のフレンチレストランの有名シェフのフランス人を呼び寄せ、招待客たちに本場のフレンチ料理を振舞った。 硝子窓から降り注ぐ昼間の陽光が私達のダイニングテーブルを照らす。 俊吾さんから事前に仕込まれたテーブルマナー。 私は粗相するコトなく、出されたコース料理を順番にクリアしていく。 「長谷川社長の深窓の奥さんは可愛い顔してるね…」 「ありがとう御座います。濱部社長」 私は笑顔を添え、目の前に座る大手化粧品会社『星凛堂』の濱部拓真(ハマベタクマ)社長に返す。 隣で見ていた俊吾さんが急に咳払いをして、私を睨む。 そして、耳打ちをした。 「黙って無視していればいいぞ…杏南」 「で、でも・・・無視は失礼ですよ…」 「・・・俺がいいと言ってんだ…」 「二人でナイショ話とは仲がいいな…長谷川夫妻」 今度は伊集院紡さんが私達を冷やかして来た。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!