奪われたカラダ

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――――私のナカに彼が息ついた。 妊娠の可能性があるワケだ・・・ 「暑い・・・」 彼は先にカラダを起こし、乱れた服を直した。 スリーピース姿の彼は直ぐに元の姿に戻る。私と言えば、ドレスも下着も脱がされ、何も身に着けていない産まれたまま姿。 今更、羞恥心が芽生え、全身が赤くなった。 「・・・さっさとドレスを着ろっ。部屋に戻るぞ」 「あ・・・はい・・・」 私はソファを立ち上がって、下着とドレスを着た。彼も立ち上がり、背中のファスナーを上げてくれた。 「ありがとう・・・」 「どうせ…また脱ぐけど・・・裸では移動できないからな」 「・・・」 部屋に戻った彼は私を連れて、バスルームへと向かう。 「私…後で入ります」 「・・・俺達は夫婦だ。一緒に入ればいい」 「それは・・・」 「さっさと脱げ。杏南」 「・・・」 私が彼に命じられ、共にバスルームに入った。 猫脚の可愛い真っ白なバスタブ。 彼のあられもない姿を見るのは初めてだった。 彼の裸体は、高校時代の校外学習で行った美術館に展示されていたダビデ像と重なった。 「今でも痛いか?」 「え、あ・・・」 私は彼の投げだされた長い脚の間に入り込んだ形でバスタブに浸かった。 彼は私の背中にお湯を軽くかけてくれた。 「ありがとう・・・」 「・・・嫌いな男に奪われた感想は?」 「・・・嫌いでも、貴方は私の夫でしょ?」 「・・・夫として認めるのか?」 「・・・まぁ」 「・・・」 彼は私の腰を抱き、自分に引き寄せる。 お尻の所に硬いモノが当たった。 ――――彼のモノだと思うけど・・・恥ずかしくて見るコトは出来ない。 「カラダの相性はいいようだが・・・今夜はこれでおしまいだ」 「でも・・・貴方・・・今・・・」 「あぁ・・・先は長いし、今無理させる気はない」 彼は私のカラダを気遣っていた。 氷の御曹司と言われる彼。 私のカラダを拘束し、弄ぶ・・・ 優しさはないんだ思ったけど、案外優しい所もあるんだと思い、安心した。
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