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やっぱり、素っ気ない俊吾さんの態度。
私にとっては大切な夜だったけど。
彼にとっては唯の子作りにしか過ぎないのか・・・
私は嘆息した。
食事を終え、私は彼を見送る為にエントランスを向かう。
「杏南…来いっ」
「!?」
俊吾さんは私の腕を掴み、小部屋に入った。
「・・・何故?食事中に俺の顔を見て、溜息をついた?」
「えっ?あ・・・別に…意味などは・・・」
「・・・昨日の夜、強引に君の処女を奪った俺に対して、何か言いたいコトがあるんだろ?」
「それは・・・」
あのまま、一昨日のように自分だけイカされるのは嫌だった。
「言いたいコトは一つ・・・
愛して欲しいです。
このまま・・・愛のない二人の間に赤ちゃんが生まれても…可哀想ですから・・・」
「・・・嘘でもいいから…君は俺に愛してると言わせたいんだな・・・」
「・・・」
「まぁ、君は俺の子を産む。
自分の血と肉を分けて、十月十日・・・君の胎内で産み育てる・・・考えておくよ」
「…ありがとう・・・」
彼の口から出た言葉に驚いた。
少しずつだけど、彼も変わり始めた証。
私も感謝の言葉で応えた。
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