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私は今日、稽古で生けた花を部屋に飾った。
洋風の部屋に純和風の花は不釣り合いだと思いながらも、どうしても俊吾さんに見せたかったのだ。
彼は昨日に続き、深夜の帰宅。
一日何度も『LINE』をして来た彼。
人を信じて来なかった彼が私を愛そうとしている。
私の行動を遂一チェックするのは当たり前。
「これが今日、稽古で生けた花です」
「写真で見るよりも素敵だ。
杏南はやっぱり…センスがある。
それよりも、緑川先生には謝ってくれた?」
「はい・・・」
「そっか・・・」
「・・・」
俊吾さんはスーツのまま私を抱き寄せた。
煙草やスパイシーな匂いがする香水、彼の体臭に包まれる。
「稽古は二人っきりでするんだろ?
緑川先生を疑う気はないけど・・・心配だった・・・」
俊吾さんは切なげな声音で耳許で囁いた。
「俊吾さん・・・」
「何処か触られたりしなかった?たとえば、此処とか・・・」
「!!?」
彼は大きな手が私の柔らかな胸を包み、弄ぶ。
「緑川先生がそんな所、触るワケないでしょ??」
私は向きに否定した。
「向きになる所が怪しいよ・・・杏南」
俊吾さんは疑り深く私を見ていた。そして、不意に右胸の頂をキュッと指でキュッと抓った。
「あ・・・」
私は思わず声を出した。
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