プロローグ*奪われた日常

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「ち、ちょっと待って下さい・・・」 「まぁー・・・戸惑うのは無理もないでしょう。 杏南様と俊吾様は何の面識もありませんからね・・・」 「現代の日本で・・・互いの顔を知らない男女が突然結婚するなんて・・・あり得ません」 「常識で考えれば、あり得ませんね。でも、俊吾様に貴方を妻として紹介したのはAIです」 「AI!?」 「俊吾様はAIの勧めて、貴方との結婚を承諾しました。 二人の遺伝子上の相性はとてもいいそうです。 さぞかし、二人のお子様も優秀でしょう」 お子様って・・・ 「まずはこれを飲んで、心を落ち着かせて下さい」 彼は私に香りの良い紅茶の入ったカップを差し出す。 「これは?」 「ラベンダーのハーブティで御座います」 「ラベンダー?あの花の??」 「はい」
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