鶴の昔話

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━━お前たちの言うところの何時(いつ)の時代かと()かれても、私にはわからない。 それでもあれは、私がまだ妖怪としては若い頃のことだ。 親が子を、子が親を、果てには兄弟同士でさえ殺し合うそんな世だった。 人間達は飽きもせず、血で血を洗う(いさか)いを、いたるところで繰り返していた。 妖怪共も住みやすかったが、諍いのあとには魑魅魍魎(ちみもうりょう)()きやすい。 お前のように力のある者には、(こく)な時代であったろうさ。 まぁ、力があろうが無かろうが、魑魅魍魎の(たぐい)が人に(さわ)るのには関係ない。 その見えない何かに、苦しむ者があったのも事実だ。 人間とは今も昔もおかしなもので、そんな者達を獲物(えもの)にして商売する者もまた人間だった。 しかし、実際に力のある者は、そんな商売をしている者の中でも、ほんのひと(にぎ)り。 ずいぶん滑稽(こっけい)な話だ。 私はそんな(さま)を、冬を渡りながら眺めていた。 何度目かにここへ渡って来た冬のある日。 逢魔(おうま)(とき)に差し掛かった頃、組紐(くみひも)を売って酒に変えに人里におりた。 (ひと)妖者(あやかしもの)()()じり、当時は随分(ずいぶん)と騒がしい時間帯で、私にとっても都合がよかった。

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