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「佐知がこの写真撮ったって、一体どういう事!?」
「あ、うん。うちもずっと美波先生のファンやってんけど、女性を誰も好きになった事がないとか、ナメたこと言う要に鳥井教授シリーズ貸したら、なんや知らんけど先生のファンになってもうたみたいで、新刊予約販売の手伝いを頼まれたからいっくんのコスプレを手伝えって、お呼びがかかってん。昨日急に聞いて――」
佐知が事細かに経緯を説明してくれた。
これについては、恋愛レッスンシリーズ1の要sideを読んで欲しいとかなんとか、ごちゃごちゃと作者が言っているわ。何の事やら。
「要のおこぼれで、うちも美波先生の協力をする事になってん。でも、要に美波先生の事聞いたら、あんまり聞かんといてくれ、って内緒にしようとするんや。まあ、BL作家のファンという事は、王子やなんや言われているモテ男にとったら恥ずかしいんとちゃうか。あ、千恵、この事は内緒やで。会社で要に会っても言わんといてや」
「もちろんよ」
佐知の説明に納得したが、羨ましい気持ちは膨らむばかりだ。
「でも、いいなぁ。佐知も早苗も、鳥井教授といっくんを間近で見て撮影までしたなんて、何っっっって羨ましいのぉ――っ!」
ビールをグビ飲みして、おかわりを貰った。そういえばここは執事バーなのに、鳥井健也様の話で大盛り上がりだわ。目の前のロックオーンしたイケメン執事はそっちのけ。勿体ない気もするけど、私の想い人は鳥井健也様がナンバーワンなのよおー!
「もしまたこういう機会があったら、千恵も呼ぶで? 人ではあった方が先生も助かるって言ってはったし」
「あっ、呼ばなくていい。羨ましいけど、私は遠くで見ているだけでいいっ! そっち側には行けないし、そんな中に入れない! 無理! 絶対無理!! 美波先生でさえおいそれと話はできないし、教授が隣にいたら鼻血噴いて倒れる自信あるから!」
憧れの鳥井健也様、お慕いしているからこそ、遠くで見つめておきたい。
触ったりしたら、その場所から発火するに違いない。
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