レッスン4

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  「だってあの三人、在庫がどこにあるのかさっぱりわかっていないし、ようやく持ってきた商品は全部間違っているし、ムチャクチャなんだもの! 今までどうしてたのっ、て怒ったら、全部南さんが用意してくれてたって白状したのよー!」   「だったら尚のこと良いですね。全員で南さんに謝罪して、彼女が優秀であると、派遣会社にお伝えして、給料アップの手伝いをしてあげて下さい。今までの分も含めてね。酷い職場だと派遣会社に報告され、南さんに辞められたら、俺達の方が困りますから。これを機に、他社に行かれない様、好待遇に切り替えてください」  焦る私に対して、神保君は普段通り、爽やかに微笑んで私に訴えてくれた。 「彼女がいかに優秀で、この会社になくてはならない存在か、という事がこれでお分かりいただけたでしょう。しかし、彼女一人にばかり頼っていては、この通販部は今後回りませんよ? もっと意識改革をし、社員ひとりひとりが、自分のやるべき仕事を自覚して職務に臨んで下さい。今日は肩を痛めてしまった南さんの代わりに、俺が手伝いに入ります。南さんには作業場に入って貰い、在庫の場所を指示していただきます。さあ、時間がありません。みんなで協力して、何としても九時までに終わらせましょう!」  きゃー。流石だわ。カッコイイ!  紗々一の営業マンで、スーパー王子と称されるのは、伊達じゃないわね!  うん。お見事!  これじゃあ、どんな女も惚れちゃうわね。  でも、私は無いけど。神保君は年下だし、こんなオバサンと付き合うなんて選択肢は彼の中でも無いでしょう。それに私の推しキャラは、いっくんじゃなくて、鳥井教授だから!
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