レッスン4

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 通販部と何も関係無いのに、こんなによくしてくれるなんて、いっくん(神保君)は本当に優しいわね。  彼に手厚くお礼を言って、作業室の片付けや雑務を例の三人組にやらせた。この程度じゃ済ませないから、覚悟しておいてね、ってにっこり笑顔で言ってやったら、三人とも震えていた。  フン。当然よ。月曜日、来なくなっても、卑怯なことをするような人間は、この会社に要らないわ。あんなに仕事ができる南さんを悪者にして、犯罪まがい――と言ったら読者様はみんな『犯罪まがいじゃなくて犯罪だ!』とお怒りなので、キツいお仕置きを据えることにするわ。  何時もこんなくだらない小説読んでくれて、メッセージまで残してくれて、本当にどうもありがとう!  さて。肩を痛めたという南さんに、私が愛用している湿布薬を渡す事にした。  ひと段落したので、少し余裕の出た南さんに声をかけた。 「南さん。あのね、これ、私が使っている湿布薬なんだけど、良く効くのよー。私も年だから肩コリ酷いの。新品をあげるから、是非使ってみてね。ラクになるわよ」  はいどうぞ、と手渡した。「肩、本当に大丈夫? この土日、安静にしてね」  通販部のエースには、ゆっくり療養して貰わなきゃ!  統括になってくれるという話も呑んで貰えたし、後は人事に相談ね。早い所、尾田君を捕まえなきゃ。  ああ見えてチャラ男だから、飲みに行くかもしれないし、もう既に予定があるかもしれないし。
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