レッスン5

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 尾田君との約束を取り付け、通販部に戻った。私の指示待ち三人は、フロアの隅の方で震えるようにして待っていた。顧客対応は全て終わらせたと報告があったので、自分の目で確かめた。これでデタラメな事をやっていたり、万が一嘘をついていたら、承知しないわよ!  システムを立ち上げ、確認した。本日の日付に出荷完了のマークがついており、荷物の伝票番号入力――これは南さんがやってくれた――がされているし、メール送信も完了になっている。  紗々では出荷の処理を一元管理のシステムで行っている。特注の自社ソフトウェアに一括でデータを取り込み、出荷だけでなく、問い合わせや受注の確認メールの送信を行うのよ。  全てのデータ確認を抜かりなく行い、顧客対応の対応内容まで確認した。  一応、漏れなく終わっている。今日は大丈夫のようね。 「あなたたち。月曜日までに反省文百枚と、再度自社の商品の覚え直し、やってきて頂戴。月曜日、反省文の確認と覚え直しのチェックするから。嫌なら辞めてもらって結構よ。情けで自主退社扱いにしてあげる」  ピシャリと容赦なく言い放つと、再びすみませんでした、と蚊の鳴くような声が聞こえてきた。 「謝罪はもう結構よ。悪いと思うなら、態度で示して。今後は南さんの下について働いてもらうから、そのつもりで」  はい、と再び蚊の鳴くような声で返事があった。 「後は私がやっておくから、もう帰りなさい」  何時までもうじうじされたんじゃあ、目障りだわ。彼女たちの仕事は片付いたから、通販部を追い出した。  本部への報告――気が重いわ。部下が犯罪まがいの事をして、会社に大損害与えましたー。天誅喰らわせておきましたが、よろしいですか、みたいな報告できないしっ!  仕方なく、報告欄に経緯を書いた。
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