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「でも、今日は女性との先約があったのでしょう? 良かったの?」
後から先約女性にやっかまれても困るから、確認事項は押さえておきたい。
「俺がモテるのが心配ですか?」
何という切り返し! 思わず目がテンになっちゃった!
「自分で言っちゃう?」
「誰も言ってくれませんからねぇ」
「ふふ。そういうの、嫌いじゃないわ。面白いわね、尾田君って。仕事はもう終わりよね?」
「とっくに終わっていますよ。実は今日、神保と飲みに行こうと思っていたのですけれど、彼の方が予定があるとかで、都合付かなくなっちゃって、フラれました。それで暇に」
「そう。仲良しなのね」
そういえば、この前ホルモン焼き屋で小晴にクダ巻いて飲んだ帰り時、彼ら二人を繁華街でみかけたんだ。
「神保は当分忙しくなるらしくて。遊んでくれる友人が一人減ってしまいました」
「そう。残念ね」
「だから神保の代わりに、諏訪さんが遊んでくれません? 俺と」
「は? 私が? 冗談言わないで。他を当たって頂戴」
「そう。残念です」
私の口調を真似て、尾田君がおチャラけた。この人、こんな一面もあるのね。面白いわ本当に。
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