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「それより、今日は色々トラブルあったからお昼も食べていなくておなか空いちゃった! ホルモンでも食べる? 浅草にいいお店があるの。行かない? そういうのが好きじゃないなら、尾田君の好きなところでいいわ。好き嫌いも無いし、決めてくれて構わないから」
「ホルモン、いいですね。大好物です。是非行きましょう」
尾田君がにっこり笑った。結構可愛い顔するのね。
「ホルモンってどこの店ですか? 浅草だとひょっとして、ヤマギシですか?」
「正解。知っているの? あそこのホルモン、美味しいよね」
それが、私が頻繁に通っている店だ。安くて美味しくて評判の店だ。
「よし。早く行きましょう」
彼が急に真顔に戻したかと思ったら、張り切って歩き出した。長身で大股で歩くものだから、ついて行くのが大変だわ。
「ああ、すみません。歩調が早かったですね。失礼」
歩きにくそうにしていたのを見て、こちらの歩調に合わせてさりげなく横を歩いてくれた。ああ、女性慣れしているわね。こんなに気を利かされちゃあ、大抵の女は尾田君に真っ逆さまね。まあ、私とどうこうする為にやっているのではないと思うけど、エスコート癖が染みついているのでしょう。ナンパ男だから。
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