レッスン5

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 それに豪君みたいな若い子は、どうせその場限りの肉体関係を希望するだけでしょ。  こんなオバサン、結婚相手になんか考えたりしないわ。 「千恵ちゃんは相変わらず手ごわいな。ま、確かにプライベートはまた次にしておくよ。邪魔してゴメンね。ホルモンは何時もおまかせでいい?」 「ああ、うん。お願い。シマチョウ多めで!」  うふふ。ヤマギシのホルモンの中でも、シマチョウは本当に絶品なのよね。美味しくってつい食べ過ぎちゃうの。 「昭一郎もおまかせでいい?」 「うん。諏訪さんと一緒でお願いしまーす」  二本指でチャッ、とポーズを決め、尾田君が豪君に向かってウィンクをした。  豪君は何か言いたげだったが、仕事もあるからカウンター中央の焼き場へ戻って行った。 「カンパーイ」  早速尾田君が私の持ったジョッキに自分のジョッキを当ててきた。 「あ、うん、カンパーイ」  調子狂うわね。尾田君って、何時もこんなガチャガチャした感じなのかしら。まあ、若い子ってこんなものなのかしら。  ああ、イヤダ。オバサンになると、ノリもついていけないわ。  とりあえず喉が渇いていたので、ジョッキの中身を流し込んだ。  ああーん、五臓六腑に染み渡るぅー。美味しいわぁー。仕事終わりのビールって、どうしてこんなに美味しいのかしら! 「いい飲みっぷりですね」 「いけない? 美味しいもの。こんなのすぐ空いちゃうわ」  ぷはーってやらなかっただけ、マシだと思ってちょーだい。
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