レッスン5

11/13

2824人が本棚に入れています
本棚に追加
/347ページ
「ああ、年上のプライドってやつ?」  ふん。ばかばかしい。そんなものを無能な年上が持つから、会社が駄目になるのよ。  もっと有能な若い子にどんどん託せばいいわ。  オジンやオバンは、陰でそんな活躍する彼らを支えればいいの。その方が全て上手く行くわ。 「そんなプライドなんか別に無いし、気にもしないわ。会社が円滑に動くならそれでいいんじゃない? 私の見る目が無かったせいで、会社やお客様、特に南さんに迷惑かけちゃったんだから、降格も覚悟しているし、南さんみたいに仕事ができて統括に向いている人が、リーダーとしてやるべきよ。指示も的確だし、彼女は私なんかよりずっと優秀で必要な人材よ」 「そうですか。それはまた、思いきりの良い事で」 「当然じゃない? あ、ここだけの話にしておいて欲しいんだけど、もしどこかの部署へ異動させられるなら、できれば営業部以外がいいわ。営業は苦手だから。お役に立てそうにないの。ごめんなさい」  おほほと笑って、さっき届いたおかわりのビールを煽った。金色ソーダ飲んでる奴が、おほほって柄じゃないわよね。オッサンだもんね。  色気無くて、ごめりんこ!
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2824人が本棚に入れています
本棚に追加