レッスン6

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  「いらっしゃいませ。新刊のご予約ですか?」  きゃああああ――っっ!  きょ、きょ、教授が喋った! しかもメチャクチャ低音ヴォイス。やばい・・・・どうしよう・・・・。鼻血噴きそうなんだけど!  小晴――っっ、何で今日に限っていないのよおおお――っ!! アンタこんないい日に仕事とかバカでしょーっ!!  仕事なんか今すぐ辞めてこーいっ! 「は、ははは、はいっ!!」  だめだ。緊張しすぎて上手く喋れない。ああ、大ファンだって、大好きなんです、私の全てなんです、って伝えたい。でも口が動かない。あああー。 「では、こちらにお名前、ご住所の記載をお願いします。新刊を予約頂いた方限定の特典になるのですが、私と彼(郁夫)のポスターを販売する事になりました。こちらもご予約となりますが、どうなさいますか?」 「買います! 勿論、予約します!! 何枚でも買えるのですか?」  教授といっくんのポスターなんて、そんな、そんな夢みたいな話・・・・。  私の貯金全部はたいてもいいから、何枚でも欲しい!! 「美波先生のご意思で、おひとり様一枚でお願いします」  いっくんもこちらへやって来てくれた。  いっ、いやああああ――っ。教授といっくんが・・・・。イラストでしか見た事の無い神イケメンが二人も目の前に・・・・しかも教授は私の一番の推しキャラ・・・・。 「あ、い、一枚で結構です! 大事にします。予約させてくださいっっ」  生きてて良かった。本当に、生きてて良かった!  もう今すぐ死んでもいいっ!!
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