レッスン6

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  「千恵―、こっちこっち」  手を振って早苗が呼んでくれたので、私もそっちへ行った。ロックオーンした眼鏡君の前に彼女たちは席を陣取っていて、和気あいあいとしゃべっている。丁度見慣れない可愛い女性の横が空いているので、どうも、と挨拶をして隣に座った。 「初めまして。うち、水谷佐知です。どうぞ、よろしゅうお願いします」 「あ、はい、どうも。諏訪千恵子と申します。宜しくお願いします」  小晴も先程到着したばかりのようだ。既に佐知さんとは自己紹介を済ませた所だと聞いた。  左から小晴、早苗、佐知さん、私の順になった。佐知さんは関西なまりがあるから、そちらの方面出身、もしくは在住者なのだろう。そういえば弥生も関西だけど、もともとがこっち(都内)に住んでいたから、標準語なのよね。関西弁って可愛いから好き。 「早速ですが、千恵子さんは鳥井教授の大ファンやって聞きましたけど?」 「そーなんです! 佐知さんもですか? お話しできる方に会えて光栄です!」 「キャー、さっき小晴さんにも聞きましたけど、鳥井教授のファンがこんなにいるなんて、めっちゃ嬉しいです! うち、大ファンやから」  同じく私も大ファンです! 「よーし、千恵もそろったから乾杯しよー」  早苗が音頭を取ってくれた。とりあえず生ビール(おっさんでごめん)頼んで、乾杯してグビ飲みした。あああー、ビール美味しい―!  そして佐知さんと鳥井教授の話で一気に盛り上がり、敬語も抜けて呼び捨てで呼ぶ間柄の仲になった。年の差はこの際気にしない。関係無いから。  ヲタは友達になるのが早いよー! 共通話題での盛り上がりがすごいからね。
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