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酔い始めた女
「ああ…せっかくだから今夜は酔っぱらっちゃおう!先生、最後まで責任持って面倒みて下さるんでしょう?ねえ、こんな席で先生とか呼ぶの微妙だから私のことカノンって呼んで。えっと…安藤先生の下の名前ってなんでしたっけ?あ…レイソウね!レイソウにしよう!」
「カノンでもレイソウでも何でもいいですけど…最後まで責任持って面倒みるって…家までお送りするだけですよ。」
俺はカノンの発言に不安を覚えた。彼女は梅酒を注文した。いろいろな種類のお酒を飲むのはマズいんじゃないか…まあ、明日は土曜日だから一日寝てればいいか!
「あの猫の写真よ。あの猫、板橋の栄さんチの猫でしょ!そう確か…レイソウの大学の同級生なんでしょう?栄…なんだっけ…龍之介?そこの猫じゃん。ルシアは確かお花ちゃんじゃなかったっけ?ルパンはエ~ッと小鉄よ!そうそうお花と小鉄。」
「栄龍之介は確かに俺の大学の友だちだけど…カノンはどうして彼を知ってるの?」
「龍ちゃん、私のいとこだもん。龍ちゃんのお母さんは私の父の姉さんなの。それに私、大学時代は栄さんチに下宿してたのよ。」
「そうなんですか?」
「そっ!だから…この前、お正月に東京行った時、龍ちゃんと安藤先生の噂で大笑いしちゃった。そん時はまだレイソウと安藤先生が同一人物だとは知らなかったけどね。」
あああ・・・地球は狭い。狭すぎる。
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