50人が本棚に入れています
本棚に追加
凛太郎
私が中学生になり、相変わらず髪や瞳の色で虐められていた時、私を守ってくれる男の子が現れた。
彼の名前は川崎凛太郎。両親の居ない彼は市の児童養護施設で暮らしていて、自らも幼い頃から虐めに遭っていたが、それを持ち前の明るさで跳ね飛ばし、今ではクラス一番の人気者だった。
私は彼と同じクラスになり、成績も良くスポーツ万能の彼に惹かれていたが、そんな彼がいつも私を庇ってくれた。
彼とは帰宅方向も一緒で二人で下校することも多くなった。そんな時、私は彼に聞いた。
「ねぇ、凛太郎くん。なんで私を守ってくれたの?」
その問いに彼は少し照れ臭そうに答えてくれた。
「だって、理紗・・可愛いからさ・・」
そう言われて私はパニックだった。心臓が高鳴っている。両頬が火照っているのを感じる。私はその場に立ち止まって彼の背中を見つめて声を上げた。
「・・えっ?」
彼も立ち止まり後ろを振り返った。
彼の背後の真っ赤な夕日が、彼の笑顔を眩しく輝かせていた。
最初のコメントを投稿しよう!