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横浜の病院から川崎の自宅に戻る為、私達は車で首都高速を走っていた。運転しながら助手席の百合を見ると、彼女は『エコー写真』を見ながら嬉しそうに微笑んでいる。
私もその妻の笑顔を見て幸せを噛み締めていた。
「ねぇ、浩二さん。女の子だって。名前・・どうする?」
唐突に百合が私に訊ねてきた。
「えっ? まだ考えていなかったな・・」
「私、女の子なら理紗にしようと思っていたの・・。どう思う?」
「うーん、いいかもね・・。あっ!」
私はその時、この先の本線上で渋滞が発生しているのに気付いた。ブレーキを掛けて車を渋滞の末尾に停車させる。
バックミラーを見ると後ろの白い車も安全に減速している様だ。
「どうしたんだろう? 渋滞して? えっ!?」
その時、私は白い車の後ろに物凄い勢いで迫って来る大型トラックをバックミラー越しに見つけた。そして私が後ろを振り返った瞬間、激しい衝撃が襲って来た。
『ガーッン!! バン!!』
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