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わたしの中に溜まっていた色んな想いが溢れ出す。嫉妬だとか憧れだとかもう言葉にならないほどぐちゃぐちゃしたものがいっぱい!
「紗季さんバカだよ! 今だってこうやって私なんかに会うためだけに変な理由つけてさ! なんなの十円分って!? 公衆電話!? 今時、十円程度じゃ十秒も話せないわよ!」
「ご、ごめんなさい……」
「わたしだって紗季さんにちゃんとごめんって言いたかった! ちゃんとありがとうって言いたかった! 紗季さんが先輩に恋してるってわかってたんだったら応援したかった! 二人で先輩の悪口言い合ったり、どんな人が好きなのか話したかった! たまには先輩抜きで二人で遊びに行ったりして、もっと友達みたいに過ごしたかった! それなのにそれなのに! うわぁぁぁぁぁ!!」
もうどうにもならなかった。わたしはありったけの感情をぶつけることしかできなかった。半ば飛びかかるようにして紗季さんに抱きつくと、一瞬驚いていたものの、そっと抱きしめてくれた。
「紗季さん! 紗季さんごめん、ごめんなさい!」
「大丈夫! 大丈夫だから!」
大声で泣き叫ぶわたしに紗季さんはただ大丈夫と繰り返した。
泣きつかれてようやくおとなしくなったわたしは、紗季さんに膝枕されていた。
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