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再会
俺と紗季が出会ったのは高校二年の夏頃だった。
今にして思えばあいつとの出会いは唐突だったというか、降ってきた災難というか、あの時の俺にしたらなにもかもが目まぐるしくて、それでいて濃厚な時間だった。
そのころ俺が活動していた部活は、高校にある部活の中では珍しい天文部。
部といっても部員一人だけの名ばかりの部活だった。そもそも俺がこのたったひとりの部活に入るきっかけになったのは、真衣奈の父親、祐介さんが原因だった。
祐介さんは俺が通っていた学校の教師で、ついでにいうと俺のクラスの担任でもあった。親父の親友だった祐介さんは俺が入学すると同時に、勝手に「お前の部活、天文部な」と決めてしまった。天文部は祐介さんが顧問を勤めている部活で、なにより去年の卒業生がいなくなったのが原因で、廃部寸前だった。そこで顔見知りでもある俺を道連れにすることで、廃部の危機を免れたというわけだ。
当時、通っていた学校で部活は強制だったから、特にやりたいことがなかった俺にとっては願ってもない話だった。
こうして半ば強引に入部させられた形だったけど、祐介さんと二人で活動していくうちに次第に星の魅力にとりつかれていった。夢中だったといえる。
毎日見ているはずの星空は、よく見ると一日ごとに違う姿を見せてくれた。羽虫が飛び交う夏の夜に、虫に刺されながら星空を眺めたり、冬の寒い風が吹く中、天体望遠鏡を担いで、学校近くの山で寒さに震えながら一日を明かしたこともあった。そんな男二人だけの天文部だったけど、俺は割とそんな毎日が好きだった。今になって思えばきっと、祐介さんなりに親父を失ったことで塞ぎ込みそうになっていた俺を励ましてくれていたのかもしれない。
それから一年経ったある日、二年生になった俺の元に紗季がやってきた。
そもそも紗季がこの天文部に入るきっかけになったのは、学園祭でのことが発端だった。
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