第3章:ギロチン賭博

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椅子に座らされている他の罪人達の 恐怖感が私にも伝わってくる。 ガタガタ身体が震えている者 ブツブツ独り言をしゃべっている者 私の裸足に冷たい液体が触れた。 恐怖のあまり失禁した者がいるのだろう 糞尿(ふんにょう)の匂いが漂ってくる。 「8番、お前の番だぞ」 頭の中が真っ白になり何も考える間もなく 私は軍人に自分の番号を呼ばれた。 縄をほどかれた私は目隠しされたまま 軍人に手を引っ張られながら 連れて行かれる。 大歓声が聴こえてくると軍人は私の耳元で 「ここで止まれ」 と(つぶや)き目隠しを取り去った。
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