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第4章:理想郷
■
ーオルガナ帝国王都カナルー
王都を見下ろす様に立つ丘の上に
その墓地はある。
森林を切り崩した広大な敷地には
無数の墓標が建ち並ぶ。
『親愛なる勇者ここに眠る』
そのメッセージと共に一人一人の名前が
石で出来た墓標に彫り込まれている。
ギロチン賭博で命を落とした犠牲者の名前だ。
彼らは帝国に命を捧げた英雄として崇められ
死した後、免罪が赦される。
犯罪者の家族は迫害を受けるのが
世の常ではあるが
ギロチン賭博で親族を失った家は
名誉を回復出来るという風習が
オルガナ帝国にはあった。
重罪人がギロチン賭博に志願する理由は
そこにもある。
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