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王宮の城門が見えてきた。
東側にはオルガナ帝国の経済を
牛耳る金融街がある。
その街で一際目を引く巨大な建物が
国営銀行である。
あの日、アビル盗賊団は
マゼッタを盗もうとしたのではない。
焼き払おうとしたのだ。
帝国中から集められたマゼッタを燃やし
お金という価値観をこの世から
消し去りたかったのだ。
アニスはお金と欲望に支配された
この世界を変える為に
盗賊として生きることしか出来なかった
彼が出来る精一杯の事を
しようと思ったに違いない。
彼の父親の想いを引き継いで…。
香辛料、石炭、宝石、金銀…etc。
豊かな資源に国の繁栄を求める帝国は
周辺諸国への武力遠征を繰返すも
充分な資源を確保出来ず
軍費増強にかかる重い税金と
他国からもたらされる未知の伝染病にも
国民は苦しまされ続けた。
マゼッタが発掘された当時とは違い
経済の発展がすでに限界である事は
誰の目にも明らかだった。
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