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鉱山の麓へと逃げる途中
アニスは自分の身の上話を語ってくれた。
オルガナ帝国の大臣だったアニスの父親は
お金による競争社会をただ一人批判した
人物だった。彼の父親は言った。
「競争社会は経済が永遠に発展する事を
前提としているが、それはあり得ない事だ。
人間は万能ではない。今より優れた物を
未来永劫発明し続ける事など出来ないし
経済の発展が止まり国民がどんなに働いても
マゼッタを手に入れられなくなる日が
必ずやってくる」
皇帝の怒りを買った彼の父親は
大臣の身分を剥奪された。
生活出来なくなった彼の家族は
バラバラになり、アニスは奴隷として
売られる事になったのだった。
でも彼は父親を恨んではいなかった。
「お父さんは正しい事を言ったんだ。
僕はお父さんを誇りに思う」
アニスは私にそう語ってくれた。
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