第3章:ギロチン賭博

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第3章:ギロチン賭博

■ 暗闇の中で聴覚(ちょうかく)嗅覚(きゅうかく)だけが 極限まで研ぎ澄まされる。 今自分が何処にいるのかは想像でしかないが 恐らく舞台裏に居るに違いない。 これからギロチン賭博に掛けられる事は 容易に想像出来た。 灰色駅(グレイステーション)で列車を下車した後 馬車に乗せられた私達は 全員黒い布で目隠しされ ここまで連れてこられた。 手足と身体は(なわ)で縛られ 座らされている椅子から動けない。 コツコツと軍人の足音が聴こえると 賭博場に向かう罪人は番号を呼ばれる。 それからしばらくすると 罪人の叫び声が聴こえてくる。 「自分は無実だから助けて欲しい」 「死ぬ前に愛する我が子に一目会いたい」 「私は息子を殺した犯人を自分の手で 殺しただけだ。どうか助けて欲しい」 命乞いの理由は様々であった。 しかしその叫び声が聴こえた後 必ずその罪人の断末魔(だんまつま)歓声(かんせい)が聴こえる… するとまた次の罪人の番号が呼ばれる その繰返しである。
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