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第一章恋心
これはまだ僕が中学生の頃ある女の子に恋をした。最初の頃は全く話した事は無かったがある日をきっかけにその子と話をした。
五月僕は一人校舎の屋上に行き一人なぜかボーと空を眺めながら全校集会が終わるまでサボっていると僕の見たことの無い女子生徒が同じ校舎の屋上でフェンスを乗り越え飛び降りようとしていた。僕は驚きすぐさま女子生徒の所まで駆け寄り腕を掴み
「ここでいったい何をしようとしているの?」
僕は急いで女子生徒に聞いた。
「死んでみようかなと思って」
彼女は軽々しく死のうと言ったので僕は驚いた。
「なんで君は死んでしまうの」
「この世にあきたからかな、それともやることがなくなったからかしら」
彼女は表情を変えることなく言う。僕も彼女に表情何一つ変えずに言った。
「今僕と話しててつまらないですか?」
「つまらなくはないけれどなんで?」
「なら僕と毎日これから話しませんか。一緒に話せばやることが一つ増えますよ」
彼女ははぁっとした顔で僕に言った。
「まさか今口説いたでしょ私の事」
「別に口説いていませんよ」
僕は彼女に言うが全く信用されず、結局は彼女の言った通りに口説いていたことになった。
「それじゃ遅くなりましたが自己紹介を始めましょう。私はこの桜ケ丘中学三年の瀬戸真奈美です。これからよろしくね」
「僕は同じく桜ケ丘中学二年の中野悠真です。これからよろしくお願いします。」
僕たちは普通に自己紹介をした後に僕の一つ上で先輩だったんだと気づいた。それから僕たちは二人で全校集会が終わるまでずっと話し続けたのであった。
全校集会が終わりを告げる二時間目のチャイムが鳴り僕と瀬戸先輩は屋上から自分の教室に戻り僕は友人の卓也の所に行って話しをした。
「おい悠真お前全校集会の時いなかっただろ。お前の事を隠すのマジで大変だったからな」
卓也は少し怒った口調をしながらもいつも許してくれる。卓也とは同じ小学校からの中だが実際に初めて喋ったのは中学に入ってからだった。それまではクラスも一緒になったことが無かったので中学に入ってからは気が合い今日まで仲良くしている。
「ごめん卓也ちょっと集会に行く気がしなかったんで適当に隠れてたんだよ」
「お前勉強はできるくせに嫌なことは本当にしないよな、それなおさないと高校進学に響くぞ」
卓也は先の事まで考えていつも物事を話すので僕は卓也と仲良くなれて良かったなと思った。
それから午前中の二時間の授業は特にいつも通りに始まり終わった。僕たちの中学校は公立ではなく私立中学なので給食ではなくお弁当や食堂と言った他の中学校とは全く違うのでいつも卓也と二人で食堂に行き日替わり定食を食べる。今日はチキン南蛮定食で僕と卓也は受け取り口に発券機で発券した紙を持って渡すとすぐにチキン南蛮定食が渡され僕と卓也はいつもの定位置の席に二人で座りお昼ご飯をいつものように二人で食べた。
「そういえば悠真全校集会の時にどこにいたかそろそろ言ってもいいんじゃないか」
卓也は俺に聞く。僕はしょうがないなと言いながら少し声を抑えながらクラス棟の屋上に居たといったら卓也は聞いて驚いた。
「そこは生徒だけでの立ち入りは禁止してあるはずだぞ」
「でも今日は珍しく空いていたから僕はただ入っただけさ」
と何気ない表情で言った。
「見つからないように注意しろよ、お前はいつも周りに注意しないから心配だ」
卓也はそういいながらご飯を食べ終わり先に教室へと戻っていった。僕は卓也が教室へと戻ってからしばらく時間がたってからご飯を食べ終わり、一人教室へと戻っている途中に瀬戸先輩が一人空き教室へと入っていった。僕はいったいなんで空き教室なんかに入っていったのか気になりそっと僕も瀬戸先輩が入った教室に行くと
「あら中野君なんでこんなところにいるのかしら」
「僕は瀬戸先輩がこの教室に一人で入っていくところを見て気になったんでその後をついてきただけなんですよ」
「あらあら中野君は私のことが本当に好きなんですね」
彼女は僕をからかうようにまた話す。だから僕も言い返した。
「別に先輩の事が気になってついてきただけで好きとかそういうことではないですよ」
「まさか中野君はツンデレさんなのかしら」
また笑いながらからかってくる。僕はそろそろ本題に入ろうとして話しを変えた。
「あのなんでこの教室に入ったんですか」
「それはね、一人でお昼ご飯を食べるからなんですよ」
先輩は少し恥ずかしそうに話す。僕はあまり深く聞かないようにするため途中で話しを変えようとするとまだ先輩は話しをする。
「私は教室にも居場所が無くてそれと友人と呼べる人がいないの、それに今年は受験でみんな忙しいからあまり誰ともかかわっていないんだよ」
「先輩には僕という後輩がいるじゃないですか、あと一人ではないですよ、僕という人がいるので少なくとも二人じゃないですか先輩と合わせて」
僕は少し恥ずかしかったが一人ではないよと少し直球過ぎた言葉のボールを投げると
「また私を口説いているのかしら、でも私とこうやって仲良くしてくれるのは嬉しい、これからもよろしく中野君」
先輩は少し前よりも明るい雰囲気になった。
それから先輩と最悪な出会いをして二年がたち今僕は高校一年生になった。先輩がどこの高校へ進学したかは分からない。卒業式が終わり僕は瀬戸先輩と一緒に二人だけで近くの公園で喋っただけでどこの高校へと進学するのかは聞いてはいなかった。だから僕はもう先輩を一人にしないと僕が進学した先でもしもいたらそう伝えようと心に決め今は校内をずっとうろうろし最終的に中学と同じように屋上に行くと
「もしかして中野悠真君かしら」
どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。僕は声が聞こえた方向へ体を向けるとそこには僕の知っている瀬戸真奈美先輩がいた。
「瀬戸先輩もここだったんですね」
僕はほっとした顔で言うと、瀬戸先輩は
「中野君もこの学校へ来ると私信じてたから」
僕は少し照れ臭い事を言われ僕も心に決めていたセリフを今言う時だと思い伝えることにした。
「瀬戸真奈美先輩、僕は貴方に伝えなければならないことがあります。先輩が卒業してからずっと先輩の事が心配で心配で仕方がありませんでした。だから僕を心配させないようにずっとそばにいてください」
僕はここで初めて自分が恋していたんだなと気づいた。
「それは愛の告白なのかしら中野君」
「それはどうなんでしょうね、先輩」
僕はちょっとばかし恥ずかしかったので少し濁らせて答えた。でも先輩は笑った顔で
「分かったわ、中野君を心配させないように私あなたの恋人になってあげます」
と屋上で僕の耳元でささやいた。
それから僕と瀬戸先輩はお互い初めての恋人となった。僕はちょっと浮かれて卓也がいる教室へと向かった。卓也も同じ高校へと進学していたので最初っから一人ではなかったから安心したもののちょっと瀬戸先輩について訊いてみた。
「瀬戸真奈美先輩知ってるか卓也」
「知ってるぞ、お前が中学の時からイチャイチャしていた先輩だろ」
卓也はちょっと冗談交じりに話し僕に言った。
「あんまり瀬戸先輩とはイチャイチャしない方がいいぞ、この学園内では瀬戸先輩は結構男子生徒からは人気で、他校の男子でも知っている奴は多いぞ。それに桜並木高校では三大美女の一人でもあるからな。」
卓也は僕に忠告した。僕はちょっとやばいなと思いながらもでも瀬戸先輩を一人にはできないと思い卓也に今の状況をぶちまけた。
「今瀬戸先輩と恋人になったんだ」
卓也は驚いて僕に言った
「それはマジなんか」
「マジだ」
卓也はそっと目をとっじ、僕に言った。出来るだけ周りを見ろと、そして恋人になったなら周りからの視線に注意しろと多分結構な睨まれる視線が来るぞと。
卓也に僕は分かった注意するといい卓也は頑張れよと僕に言った。
瀬戸先輩と恋人になって今月で五ヶ月が経った。今まで周りからいろんな視線や睨んでくる視線が多かったが今は最初よりかは減った。卓也が僕に告げたとおりに周りからの視線はきつかった。電車に乗って学校に登校している時も同じ制服を着た学生からはさえない男がなんであんな美女と付き合っているのか分からんとか、なんであんな奴が青春してるんだとかいろいろぼろぼろになるまで言われていたが、僕は何とか五ヶ月もたつとメンタルが強くなったのか今はどう思われてもよくなったし、学校でも瀬戸先輩と一緒に話すこともできるようになったが楽しい事ばかりではなかった。
ある日の放課後、瀬戸先輩がたまに屋上に行き一人飛び降りようとすることが増えたのである。クラスで何かあったのかは教えてくれないが、彼女は自殺願望が一日ごとに増していっている。僕は先輩に聞く
「先輩クラスで何かあったんですか」
「何もないわ中野君、私は大丈夫だからほっといてもらって構わないわ」
僕は先輩にそういわれると何もできないのでいつもそっとしておいたが僕もそろそろ耐えられなくなり言ってしまった。。
「先輩、僕は先輩が心配なんです。ここの所僕が目を離したすきに自殺しようとするじゃないですか、僕はそんなにも先輩の重荷になっているんですか。僕は決めました、先輩がもしも僕のいないところで自殺でもしたら僕も自殺します」
僕は自分でもバカだなと思ったがこれぐらい言わなければ先輩は絶対に自殺をすると思ったので言った。
「分かったは中野君、私は貴方を生かしたい。だから私が死なないように毎日一緒にいてくれる」
僕は何も話さなかったが首を縦に振りうなずいた。
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