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無事に翔琉と合流した俺は、もちろん合ってすぐお互いの熱を直に感じられる行為に耽った。
先ほどの翔琉を妄想し既に昂っていた熱雄を、生身の本人に鎮めて欲しくて、いつもより積極的に腰を振ってしまう。
恥ずかしいとは思った。
だが、やはり俺には翔琉の身体が一番最高なのだと、きゅうきゅうとその太くて硬い翔琉を締め付けながら再確認していく。
――好き、すき、スキ! .......翔琉、大スキ!
何度目かの繋がりの後、まだ果てていない翔琉の熱雄が俺の後孔からズルっと引きずり出される。
――もしかして、イってない?
酷く困惑した俺は、もしかして自分の雄張った身体では、いよいよ興奮しなくなってしまったのでは? と不安が過ぎってしまう。
大人の映像作品で胸の谷間に熱雄を挟む女優の残像が頭にチラリと浮かび、俺は恐る恐る翔琉へと尋ねた。
「.......あの――女の人の胸に挟まれて、イくって.......やっぱり気持ちイイんですか?」
瞬間、翔琉が激昴するのが分かった。
「颯斗! まさか、女と浮気してるのか?!」
「ち、違います」
慌てて俺は全力で否定する。
「じゃ、何でそんなことを聞く?」
怒り爆発寸前のところ、何とか冷静さを保った状態で翔琉は言った。
「だって翔琉今.......その、俺の中でイけなかった、ですよね? ほら俺、どちらかというと可愛い感じの男の子でもないし――どちらかというと、体型も顔も何もかも男らしくて、柔らかい胸なんてないので.......」
途中、歯切れ悪く俺はそう告げると、翔琉は大きな溜息を一つ付いた。
「颯斗はバカなのか? 俺はただ、颯斗の身体を気遣っただけで、あえてイかなかっただけなんだが」
呆れた口調で翔琉は返す。
「明日、学校へ行けなくなっても良いというならば、本気出して抱き潰しても良いんだが?」
――え、ウソ?!
俺はその言葉に、たくさんのドキドキが止まらなくなってしまう。
まだ熱を帯びたままの雄に、翔琉は自身の手を添えると
「だったら颯斗の胸を借りるとしよう」
柔らかい膨らみのないその胸の上を、熱い翔琉の熱雄がぬちゅぬちゅと擦り始めた。
熱いその感触にゾクゾクと、達したばかりの俺の下腹部も熱を帯び、あっという間に雄の形に育ってしまう。
「颯斗もココに擦り付けられると気持ち好くなっちゃうんだな? カワイイ」
感嘆した翔琉は、そのまま自身の熱を俺の反応を見ながら擦り付けていく。
「.......っふぅ.......ァあっ.......あああ!」
敏感になっていた胸の飾りにも、熱雄を執拗に擦り付けられ、俺は甘美な叫びを上げる。
次の瞬間、俺たちは同時に達する。マーキングとばかりに翔琉は俺の顔へ、吐精したものをかけていく。
「誰にもこのエロい顔を見せたくない。否、エロくなくても俺の大事な恋人の顔を誰にも見せたくない。人間ができていない恋人で申し訳ない」
翔琉はそう言うと、俺の唇へチュッとゴメンねの意味を含んだ優しいキスをした。
――それは俺の方だよ。
そう思った俺は、自らも翔琉の唇へとキスをする。
俺たちはこうして、あのカフェで出逢ってから二度目の、そして身体の関係を持つようになってからは一年の、思い出深き十一月をまた迎えようとしていた。
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